後ろ髪をひかれる思いで病院をでた。






『愛音〜♪
早坂さん、チョーかっこいーじゃん!!
あの容姿でお医者さまなんて、天は二物を与えすぎだよぉーーーー!』





「でも、二重人格だよ?」





『えっなに??』





「うんん、なんでもない……」




首を傾げるけいちゃん。




私は早坂さんの正体を言いかけてやめた。
けいちゃんが良い風に思っているならそれでいい。





だって、これから赤ちゃんが生まれるまで関わっていくんだから……





『さぁ!今日は帰ったらまずお母さんに言うぞー!』




『よっしゃ!
俺も親に言うぞ!!』






ガッツポーズをしながら気合いを入れるカップル。






病院で確かめるまでは
お互いの両親には秘密にしていたらしい。





親に妊娠を告げるという大告白の前だというのに2人ともとても明るい。





『お母さんなんて言うかなーーー…』





なんて言いながら笑っているけいちゃん。





お母さんのこと信頼してるんだろうな。





もしうちのお母さんなら、縁とかきられちゃうかな?




いや、おろしなさい!って言われるかも…






考えるだけで〔ブルッ〕と身震いがした。





『じゃね!また明日!
今晩のこと報告するからね〜』





『ほな、また!
先生に吉井君に愛音ちゃんも忙しいなぁ!ハハハ』





「(なっなんで…吉井君まで知って……)もう!亮ちゃんのバカァ/////」






けいちゃんは苦笑いしながら手を振っていた。