くり色の髪に、ゆるくあたったパーマ。



白いロンTに薄いデニムをダボッと履き、




ニタニタと口角を上げながらこちらに近づいてくる。



私の目の前で立ち止まると、





『うわ!ラッキー!まじかわいい。』




目尻をくしゃっと下げながら笑った。





そして、ゆるゆる男は言葉を続ける。





『ねー。映画いこーよ!』






「えっぁ…?…えぇ…??」






言葉がみつからない。




『適当に声かけたんだけど、君まじかわいいね!連れもいるんだけどさ、いこーよ!』






肩に手がまわされる。



触れられた肩に全神経が集まって、ゾクッとする。


こわい……