人込みを避けるようにしてタクシーを回すと、誰にも見つからず、離れる事が出来た。



「すいません…。
遠回りさせてしまって…」

「良いですよ。
大変ですね、人気者は」

「…俺がわかるんですか?」

「娘がファンなんです。
困った娘ですけどね」

「そうですか。
娘さんによろしく言っといて下さい」



目的地に着くまでの間、運転手と喋ったりして時間を潰した。



「……着きましたよ」



気付いたら都心から離れた場所に着いていた。



多分…ここなんだけどな…。



今日はスタジオを離れての撮影だ。



アウトドアを楽しむってヤツ?