俺はその場を離れ、裏に回った。 堂々と入りづらいのが悩みだな。 自分で言うのもなんだけど、人気者は大変だな。 「あ、恭介君!!」 「こんにちは。 奏太達はいますか?」 「多分今楽屋で琉莉ちゃんをなだめてるよ」 「そうですか」 廊下で会った琉莉達のマネージャー。 チラッと見えた手帳は、スケジュールがギッシリ詰まってた。 歌手も大変…。 「よ、奏太」 「おー恭介。 見ろよ、琉莉あんなんだぜ」 「…………」 あんなんって…。 片隅で体操座りの姿でうずくまる琉莉。 まったく……。