■episode51:琉莉■





――今日もまた、2人の家で、あなたの帰りを待った。




「ただいま~」

「おかえり恭っ!!」

「そんなに走らなくてもいいだろ…」

「だって早く会いたかったんだもん」



海外での仕事が多い恭介と、日本で仕事するあたしとでは会える時間が乏しい。



それに夏からはLightのアメリカ進出もあるし忙しいから、すれ違いが多かった。



もちろん恭介の仕事の量に比べたら劣る。



だけど昔ほどではない。



あたしが恭介の隣りに自信を持って肩を並べる事を恐れないでいいって思うようになった。



それでもまだ恭介の背中は遠く感じる。