■episode46:恭介■



ホールに響く君の声を聴くと、心が落ち着く。



「…琉…莉…」



君は見ない間にどれほど頑張っただろうか。



君の歌声はホールにいるすべての人を魅了する。



「琉莉って、歌少し変わったよね?」

「だよねっ!!
心が落ち着くって感じになった」

「そうそう!!」



ファンの人でも気付く、琉莉の成長。



「今日のチケット取れてよかったぁ~」

「うんうんっ」



――楽しい時間にしたい。

あたしにとっても、ファンにとっても。――



昨日電話で琉莉はそう言った。



……良かったな琉莉。