今晩恭介に言ってみようかな…。 この時のあたしは、恭介があまりにも深く追い詰められてるなんて考えてなくて、 タマさんの言葉も忘れてた。 「恭…いる…?」 明りはついてるけど、おばさんはいないから、恭介はいるんだと思う。 恭介の家の合鍵があたしん家にあるから、合鍵で入った。 ――ガチャンッ!! 「え、何っ!?」 何かが割れる音。 蘇るのは、恭介がアメリカに行くと告げた日の事。 「恭っ……」 部屋にいるであろう恭介。 ドアの隙間からは恭介の影が見えていた。