「空港まで送るよ」

「あ、ありがとうございます…」



社長の車に乗せてもらった。



ぎこちない雰囲気だったけど、社長は話しかけてくる。



「本当はね~昨日も行くつもりだったんだけど、仕事がね……」

「大変そうですね」

「うん…大変…」



やっぱり仕事だったか…。



「でも、よかった…」

「はい?」

「恭介君が世界一になってくれてよかった…」

「…社長のおかげですよ」



アメリカに早く馴染めたのも、社長がいたからかもしれない。



近くに日本人がいるだけで安心できた。



多分、社長が社長じゃなかったら、世界一になれなかっただろう。