■episode38:恭介■





時間は時に長く、時に短い。



1年半前、不安と期待を背に渡米してきた。



あの時はまだ見ぬ世界をがむしゃらに追いかけてた。





「荷物はこれだけか?」

「後はまだ必要な物ばかりだから、先にこの分だけ送る」



――3月、



残り1ヵ月をきった今、荷造りをしている。



学校はほとんど仕事詰めだから数回しかいかないだろう。



最後の最後まで俺のスケジュールは仕事だ。



日本の学校への編入試験は、俺の元の成績から考慮されて免除になった。



だから日本に一時帰国せずに済むので、仕事がたくさん入った。