「…にしても、声少し枯れてないか?」 「ん~、ん? まぁ…多少なりと…」 「風邪じゃねぇよな?」 「ううん、あたし元気だもん」 「じゃあ……黄砂?」 「この時期に黄砂?」 「さぁ、わかんねぇ」 「奏太…、当てずっぽう…」 また歌いたい。 武道館に響き渡った、あの歌声を、発したい。 「恭介ん事、もう考えんな。 アイツは自分で解決出来る」 「わかってるよ…」 恭介の心配はもうしてない。 必ず、自分の道を見つけれる。 恭介はそんな人だ。 だから今は、 自分の事を考えよう。