俺は琉莉に話した。



「琉莉は何の為に歌うんだ?」

『ん~…。あたしが歌う理由は、あたしの歌でみんなが笑って欲しいから、楽しんで欲しいから。
簡単な理由だけど、それじゃダメ?
言っとくけど、あたしの本当の夢は他にあるからね』

「琉莉の夢って?」

『……まだ言えない』

「じゃあ叶う見込みはある?」

『十年以上もあたしの夢は変わってない。
叶うか分からないけど、ずっと、ずうーっと変わらない』

「そっか……」

『…恭の写真見るとね、あたしは笑顔になるよ』

「そっか…」



昔は同じような事を思っていたな…。



俺の写真一枚で、って。



それは今でも変わらないけど…。