「恭介、また君を撮りたいよ」

「あ、ありがとうございます!!」

「君は昔のあの人に似ている」

「あの人…?」

「雨宮祥也さん。
俺がまだ新米だった時、世話になったんだ」

「…………」



カメラマンは見た目からしてだいぶ年上だ。



ベテランとも言うべき人だ。



「あの時見た雨宮祥也さんが忘れられなくてね。
もう1度見たい。
君に期待しているよ」

「はいっ…」



期待…されてるんだ。



社長に言われたけど、他の人にも思われてるんだ。



俺の知らない所でいろんな話が進んでいるみたいに思う。



俺が知られていく。