「事務所の規模がデカかった。
芸能界、モデル業界、お笑い……数々の分野のタレントを有する事務所だったんだ。
ある日たまたま社長の目に掛かってしまい、アメリカのこの事務所に社長として飛ばされたんだ。
“荒川、君なら成功する”
そう言われたよ。
この事務所は日本の事務所のアメリカ進出で出来た事務所だし、先代の社長の兄上が資金提供した事務所で…………」



永遠と続く話をこのまま聞いていて良いのだろうか?



俺、実際用は済んだし、出来れば早く帰りたい。



でもまだ話は終わる気がなさそうで……。



ほぼ脱力して聞いていた。



あの"名字"が出るまでは。



「大体、雨宮社長は何考えてるんだろう」