あの人みたいに、巧みな声は出せないかも知れないけど、 近付く事は出来る。 もっとレパートリーを増やして、成長したねって言われたい。 恭介に言われたい……。 だから……。 「奏太っ!!」 「おわっ!? び、ビックリした……」 「ね、それが終わったら、あたしの歌の練習付き合って!! 悪い所、どんどん言って!!」 「え…あ、いいけど……」 まずは自分の欠点から克服しなきゃ。 「琉莉違う。 ここはもっと高く」 「わかった」 今のままじゃ駄目。 もっと高みを持たなきゃ、駄目なんだ……。