今日の夕方の飛行機の便で、恭介はアメリカに行く。 それを聞いたのは1週間前。 今から空港行けば、見送りにギリギリ間に合うかも知れないけど、 あたしは行かない。 「…恭は…"夢"に向かって、旅立つんだよね…」 恭介の夢は、あたしの夢。 逆は言わないってか言えないけど、恭介の夢はあたしにとっても夢である。 「で、歌詞出来そ?」 「うん。 今なら書けそうな気がする」 ――夢ってさ、 儚いよね。 でもさ、 尊いよね。 「……ふぅ~」 一息ついた。