ごめんね? 出来の悪い幼馴染みで…。 そっと抱き締められた恭介の腕の中、あたしは涙が止まらなかった。 恭介の制服のシャツを濡らして、でも泣きやむ事は無く。 ……本当にごめん…。 「琉莉、勝手に決めてごめんな?」 恭介の声は、とても優しかった。 エレベーターの中での時とは違う。 昔と変わらない、優しい、あたしに向けられる声……。 「顔、上げて……」 「っ…きょ…う…」 目が霞んでいてもわかる。 大好きな人の綺麗な顔…。 そして……。 ――優しいキス……。