恭介はあたしの事を妹みたいな感覚で扱ってると思う。 あたしが恭介の事好きだって気付かないのは、別に彼が無自覚とか天然という理由ではない。 多分、あたし達2人の距離が遠いからだ。 心の距離が……。 10階につくと、2人共エレベーターから降りる。 あたしと恭介の家は隣り。 とても近い。 「あら、恭君じゃない!!」 「久し振りです、おばさん」 「いつ見ても逞しい男ねぇ~」 「そんな事ないですよ~」 「…………」 何も言わずあたしの家に上がり込み、ママと話し出す恭介。 何故勝手に入った!?