この時、琉莉は何を思っていなかったのは俺にはわからない。 多分、一生……。 だから……だろう。 この時に出来た俺と琉莉との間の溝は、 俺達を苦しめた事を。 琉莉の肩が少し震えていたのを見て見ぬふりをした俺を、 神は許さなかったんだろう。 「…………」 「…………」 時間は止まる事なく進む。 時間を戻せる術があるなら、誰か教えて欲しい。 「恭……ごめんね……」 ――花火が上がる。 俺達の心情とは裏腹に。 ――夏が終わる。 高1の夏、俺達は変わり出した。