――― ――――― 「琉莉ちゃん。準備はいいかい?」 「いつでも大丈夫です」 「じゃまずAパートから…」 レコーディングが始まった。 奏太達は隣りの部屋で楽器の調整をしている。 「………っ」 息を止めるタイミング。 息を吸うタイミング。 まだまだ下手っぴだけど、成長している。 「OK!!サイコーだよ琉莉ちゃん!! いつもながら透き通った歌声だね」 「あ、ありがとうございます!!」 「今日はこれで終わりね」 「はい!!」 褒められたら嬉しくなる。 新曲…早く恭介に聴かせたいな。