スイッチ

それから私は、そのメモを書く事もスイッチを押す事もせず、毎日毎日、家事とテレビを観て過ごした。 料理学校にも通い、普通にひと通りはこなせるまでになった。 パソコン教室にも通った。教室で知り合った友人に、苦手だった携帯メールも教わって、完璧に習得した。今まで会社人間だった自分を振り返り、人との関わり方なんかも研究した。 組織の中で、決められた仕事の山と上司の期待以上の功績。部下の失敗の穴埋めに奮闘し、会社に私は、無くてはならない存在と、ずっと誇りに思い、頑張ってきた。「君は会社の財産だよ」その言葉が私の全てだった。