その日の夜、奏斗から電話がきた。

一応泣いているのをわからないようにして電話に出た。


「もしもし?」

「春?ちょっと頼みみたいなのがあるんだけど…」

なにそれ…。

あたしがめちゃ悩んでんのも知らないのに…頼み事って。

「どんな?」

でもやっぱり奏斗から電話がきたのは嬉しかったのでそう言った。

「桜田雪乃と会ってほしいんだけど……」

はっ!?

なんであたしが会わなきゃいけないの!?

「いやだ」


「なんで?」

は?

なんでなんて普通聞くか!?


あたしが桜田雪乃を一番嫌ってるの知ってるくせに。