はつこい

けれど、口を離してから息を整える私を見て微笑む彼を見てやっと状況を理解できた。


「遼、きちゃう…」


「もう仕事行った。今日は泊まりだってよ?…ね?いい?」



こんな距離で、私の大好きな顔で、声で、温度で、でもどこか少し上ずったような、緊張した様子で囁かれて、断れるわけがない。



彼はそれを分かってやっているのだろうか?


わたしはいいよ、と一言、彼の耳元に囁いた。