はつこい

「もう大丈夫?」

やっぱりあの優しい声で聞くから、なんだか涙が出そうになる。我慢していたつもりが、溢れてしまったみたいで遼の指に拭われた。

「んふふ、ひっでー顔」
「…ばかやろう。」

顔を洗いに洗面所に向かおうと、ソファーから立ち上がると腕を引っ張られた。

「ちょっ…」

今度は後ろから遼に抱き締められている。耳に息がかかるくらい近くに遼の顔がある。