「どうしよう…。」

セルリアの顔は、今日はめでたい成人の儀の日だというのに、すっかり青ざめていた。

おばさんと昨日買いに行ったドレスは濃いめのブルーで、リボンやフリルなど装飾のついたもので、やや肌が露出しており、眼鏡をかけている時のセルリアには、とてもじゃないけど似合わなかったのだ。

「こんなの着て、外歩けないよ…。」

ちなみに、セルリアはおばさんに渡されたコンタクトレンズの存在をすっかり忘れていた。

そうして、しばらくすると、おばさんがメイクと髪をセットしにやってきた。

「お、おば、おばさん…。私…こんなの着て外歩けません…。」

「落ち着いてセルリアちゃん、ドレスはバッチリなのよ。文句なしよ。昨日あげたコンタクトレンズは?」

「えっ…?こんたくとれんず?」

「昨日、眼鏡の代わりにつけなさいっていったわよね。話し聞いてなかったわね…。」

おばさんの声が恐くなってきて、やばいと思い、ふと昨日の事を思いだした。

そういえば…。帰り際におばさんになんかちっちゃい袋渡されて…。そうだ!踏んだら大変だから机の上に置いたんだ。

命の安全のために、セルリアは
「すぐにつけてきます!」と返事をして、無事コンタクトレンズを発見したはよかったが、しかし、恐くてレンズを目にいれられない。

練習しとけばよかった…。と後悔したがもう遅い。

おばさんを怒らすとやばいので、眼鏡を外しただけの状態で部屋に戻った。