翌日、和泉はいつも通りだった。

俺は夢でも見たのかもしれない、そう思い始めた。



「野々宮、話があるんだ」

笑顔を浮かべて…いるが、凄く怖い。

俺はただうなづくことしかできなかった。




「本当に誰にも言ってないだろうな」

コクコクと頷いた。

すると少しだけ表情が柔らかくなった。


「あれって本当に和泉だったのか?」

「間違いなく、俺自身だよ」


まだ信じられない。



「野々宮はあんなとこで何してたの?
あの辺治安悪くて普通の人は近づかないのに」


「和泉だってなんであんなとこに…」


「俺が質問してるんだけどな。
まぁ、誰にも言わないっていうならそれで良いんだ」




言うつもりないってことか。

俺も言うつもりなんてなかったけど。