どこに行こう?

今まで私達の間でその言葉が交わされたことはなかった気がする。
…いや、なかった。
いつもただ、放課後のざわめきに紛れ込んで。どちらかの足の向くまま、校外に出ることはなく補習授業が終わるまでを校内で過ごした。

「風、つよ…」

今日は多分、キミの足が向くままに屋上へ。
どちらの先導でどこへ向かうかなんて、感情の輪郭のように意外と曖昧なものだ。