「…名前は?」
イキナリ聞かれちょっとびっくりした。
「あ…中島柚綾。」
「俺 沖田総悟。」
てか 今想ったけどクラスの学級委員どっちも会議に出てないっておかしくない!?
学級で話し合いとかあったら困るよなあ~っ。
「会議とかだるいよな。」
「え…うん。」
「大人の都合だけで会議とか始めて、入学して早々クラスマッチってどうなんだよ。」
同意見。
「あたしもそれ…想った。」
「だろ?クラスの親睦を深めるため とか言うけどそんなの言葉並べて言ってるだけにしか聞こえねえよ。」
ごもっとも。
沖田君の言ってることは正しかった。
少しでも親やPTA、教育委員会にいいトコ見せようと変なところで張り切る教師たち。
普段はやる気のない授業をするくせに。
そういうことを考えると大人って少し卑怯だ。
「大人って…」
「え?」
反射的に言葉が出ていた。
そのまま言葉を続けた。
「大人ってずるい。卑怯で利用するときだけ子供を利用して。そんなのただのずるい人だよ。」
「お前…」
想ったことを口に出していた。
やばい と想った私はその場から離れようと走り出した瞬間

がしっ

と腕を掴まれた。

「何で泣いてんだよ…」
私は反射的に泣いていた。
そのまま廊下の階段の影で沖田君に抱きしめられた状態で
彼の腕の中で泣いた。
カレは何も言わずに黙って聞いてくれた。

あたしの過去を―