今 誰かきしょいって言ったよね?
うん、気のせいだ。多分空耳ってやつだよ。
そう勝手に納得して帰ろうとすると
「聞いてんのか オイ」
さっきと同じ声が聞こえた。
声がしたほうを恐る恐る見てみると
男子生徒が立っていた。
サラサラっぽさそうな粟色の髪にきれいな瞳。
「誰…?」
心の中で想っていたことを声に出してしまった。
「お前こそ誰だ…学級委員か。会議は?」
いや、私の事当てたのすごいけどあんた誰よ。
「あんたこそ誰よっつーか会議とか抜け出したし。」
あ 言っちゃった。
「俺 学級委員だよ。」
学級委員?だったら何故会議に行かないのだ?
「会議は…?」
「めんどいから出てない。お前と一緒だよ。」
私と同じ理由で会議に出ていない。
「ふーん…。ちなみに何組?」
「は?知らねぇの?」
「うん。だって始めて会ったじゃん。」
「…はあ。」
え 何でため息?
だってこんな人知らないし真実言ったまでだよ。
「俺 お前と同じクラスで同じ学級委員。」
「あ~そうなんだあ」
私はヘラヘラ笑ってた。
ん?同じクラス?
「うッそ~~~~!?」
「嘘じゃねえし。うるせえし。」
そういいながら耳をふさいでいる。

全然気がつかなかった。
何でもっと速く気が付かなかったんだろうね。
もっと話しとけば運命だって
変えられたかもしれないのに―