さっき、
“地獄のようなものだった”と言ったけれど、一部しか記憶にない。
それに、その記憶が定かかどうかは・・・自分でもよくわからない。

でも、脳裏に焼きついている。きっとこの記憶は確かな記憶のはず。



そしてまあ、養護施設に移され、俺は人が怖かった。



また、両親みたいに引っ叩いてボロボロにされるのかとばかり思っていた。



全ての人間が
両親のようなものだと
思っていた。



脅えていて、本当に人に近寄れずに、誰も信頼することが出来ない。
誰一人として・・・

周りの全ての人間が敵であると、勘違いしていた。

どうしても、体が反応してしまう・・・
・・・先生も大変だっただろう。




いや、大変だったんだ。




そんな時に、愛純と出会った。
とはいえ、養護施設に来てから何ヵ月後かの話。