「────なんでそんなこと言うんですか?」
「え、愛純?」
とお母さん。
蒼のお父さんもビックリしている。
「蒼は・・・蒼は楽しみにしてたんですこの旅行を!蒼はお父さんが大好きで、あの浜辺でキャッチボールをしたのが唯一の思い出だって言ってました。
小さい頃の思い出を今でも覚えているってことは、それほど大事な思い出ということです!
こうやって他の家族に首を突っ込むのはあれですけど、蒼の気持ちも考えてください!
蒼とキャッチボールをしてあげてください!
初めてキャッチボールをした日から蒼はいっぱいいっぱい練習して、お父さんに褒められたかったって言っていました・・・・!だからっ・・・」
と言った時。
蒼のお父さんは
「蒼・・・。」
と呟いた。
「ちょっと、愛純!」
私のお母さんとお父さんが私のところに来た。
「いいんです。私が・・・悪かったんです。
やっぱり子供って、どうやって扱えばいいかわからなくて。
それに、自立できるように、立派に育って欲しかったんです。
でも、間違ってしまったようです。
蒼の気持ちなんて全く考えていなかった。
今まで蒼のやりたいこともさせてやれなかった。
遊んでもやれなかった。
蒼は私とのキャッチボールをそこまで・・・。
愛純さん、ありがとうございます。
蒼のことをそんなに考えてくださって・・・。
これからはちゃんと蒼を見ていきたいと思いますし、やりたいこともやらせながら立派に育てられるようにします。
蒼の気持ちも考えながら・・・。」
バンッ!
そんな時、蒼が、戻ってきた
「蒼?」


