「あらー蒼。」

「蒼くんじゃないかー。」

と蒼のお母さんと私のお父さんの声。
この隠れた部屋から聞き耳を立てた。

「お父様に用事が。あの・・・砂浜でキャッチボールをしませんか?」

すると、その場が
シーンとなった。

まあ、そうよね。
大体予想ついてた───────

「愛純さんはどうした。何やってんだこんな大事なときにキャッチボールなど!」

蒼のお父さんは怒鳴った。
そのとき私の中の何かがざわめいた。


「すいません。失礼しました。」

といって蒼は部屋から出た。
お母さんたちは

「やってあげればいいのにー。」

とか言っている。


バンッ!!


私はついに部屋から出て、お父さんたちのいるところに行った。