姫とあいつと婚約者

──────────────────
───────────

「ねえ、蒼。お父さんに言ってきたら？キャッチボールしようって。」

「んなバカなこと今更言えるか！」

「そんなこと言って──────
初めてのキャッチボールの日を最初で最後の日にするつもりなの？バッカじゃない？この意気地なし。
ほら、いきなよ。」

「ったく・・・。」

ということで、蒼のお父さんたちの部屋に辿り着いた。
ピーンポーン

「ハーイ。」

出てきたのは、私のお母さんだった。
ってことは・・・？

「あら、蒼くん。今、親同士で飲んでるのよ～。」

ちょっと！飲んでるとか言わないの！お母さん！

「あれ？愛純は？まあいいや、上がりなさい。」

「あ、はい。」

とルンルンなお母さんは蒼を引っ張っていった。


その後を追ってばれないように部屋の中に忍び込んだ。