「でも、嫌なの、蒼まで失うのは............。」



ちくしょう、
と言いながら

戦い始めた。



本当は喋る暇もないのに。



「俺まで失う?何バカ言ってんだよ、“まで”って、何を失った?まだ何も失ってねえだろ!まさか連のことだなんていうなよ、連は絶対に生きてる。死んだことになんかすんなよ!主のお前が..................あいつのこと信じてやらないでどーすんだっ!」


..........私はバカだなぁ。
連は、誰に仕えている?
私は、誰の主?


私が..............信じなくてどうするのよ...........。
あんだけ命張って頑張ってる。


私を信じて──────。


「.........そうだよ、愛純。梨乃が言える立場じゃないかもしれない。でも、もうここまできたら戻れないんだよ.........。だから、私たちが今、ここに留まったとしても蒼ちゃんの邪魔になるだけ。それは愛純もわかってるはず。」



「..........わかった。蒼も約束してっ!絶対に、無事で別荘まで辿り着いて!」




「.......お前もな。」




泣いちゃだめだ。
まだ、さよならなんかじゃないんだから。
また、絶対会えるんだから。