「ちょっと蒼!」

蒼を呼び出した。
男の輪の中から外れて、私のほうへ来た。

「何?」

「ちょっと来て。」

無理やり腕を引っ張って廊下に連れて行った。

「ねえ、どういうことなの?」

「は?だから何が?」

「とぼけてんじゃないわよ!旅行って何?何で今まで教えてくれなかったの!」

・・・すると
え?と蒼は声を漏らした。

「親から聞いてねーの?」

「う、うん。」

するとため息をつかれた。ため息をつきたいのはこっちよ!バカ!

「だから、意味はそのまま。宮内家と城坂家が一緒に旅行に行くんだって、伊豆に。」

「伊豆かよ!何だ。外国に行くのかと思ってた・・・国内か・・・なんだ。って!なんだじゃない!何で一緒に何か──────。」

「親交を深めたいんだってよ、だから俺は何も言えずにいたってわけ。何?梨乃から聞いた?」

「う、うん。」

「俺もさ、昨日そのこと聞いて。しかも携帯で。昼休みに突然伝えられてさ。梨乃が偶然その場にいたんだよ。そんで問い詰められた。」

あー・・・

「あ、そう。」