朋美が心配そうに私を見る。 その視線にも気づかないふりをして、コーヒーを飲み続ける。 「杏奈。 お願いだから、俺を見て。」 聞いたことのないような声。 切なくなって、涙が出そうになった。 こんな声を出させているのは、私のせい…? もう、無視なんて出来なくて、私はさつきを見る。 こんなにちゃんとさつきをみたのはいつぶりだろう。 さつきは泣きそうな顔をしていた。