[短編]アスタラビスタ



次の日、
私は時間通りに駅に向かった。



駅と言っても無人の小さな駅。この町にはぴったりの素朴さが漂ってる。



涼との最後のデートに選んだのは水色のミニワンピ。



涼が好きな色。



それと、涼が好きなマリン系の香水を軽くつけた。




「ハル!おはよ」


「うん、おはよ!」



涼はすでに到着していた。
いつもの爽やかな笑顔だった。



「次の電車に乗るよ」


「ねぇ今日どこ行くの?」



どこに行くのかまだ聞いてなかった。いつもは先に決めてから出かけるのに。