[短編]アスタラビスタ

「でも友達と別れるのはやっぱり寂しいみたいで。明日はみんなで遊ぶらしいよ」


「そっか、そりゃ寂しいよな」



そばに止めてあった自転車に2人分の荷物を載せた。


涼の後ろは私の特等席。


放課後は涼の自転車に乗って帰るのが日常だった。


砂浜から私の家へは約10分。


涼の背中のぬくもりが大好きだった。



「ハル?着いたよ」


「あっ、ありがと」



いつものように家の前で自転車が止まった。



「じゃあ明日な」


「うん!明日ね!バイバイ!」



笑顔で自転車をこぎ出した涼の背中に手を振った。