[短編]アスタラビスタ

「ハルちゃん、涼はすぐに元気になるわ!だから、ハルちゃんはハルの思うようにすればいいのよ」


「…はいっ…」



私達はまた、二人で涙を流した。





――病室に戻ると、涼が私達の顔を見比べてボソッと言った。



「よく泣く二人だなぁ」


「そんなことないよ!」



私達は笑顔で目を合わせた。



「…涼」



私はもう一度、涼の右手に触れた。



「涼、私やっぱり東京へ行く。そして、お父さんと和也と暮らす」


“コクリ”涼は笑顔で頷いた。