[短編]アスタラビスタ

「いや!私、行けない!」


「ダメだ」



…何度か同じようなやりとりを繰り返した。


すると、涼のお母さんが見かねたように私を病室の外へ呼んだ。



「ハルちゃん、昨夜も今日も来てくれてありがとうね」


「…いえ…」



自販機の横にある椅子に、二人で座った。



「ハルちゃん、今週引っ越すのねぇ…少し前に涼から聞いたわ」


「でも!私は…」


「ねぇ、ハルちゃん。これを見てくれないかしら」



涼のお母さんは一枚の便箋を私に渡した。



なんだろう…
私はゆっくりとその紙を開いた。