「やった、今年も同じクラス!」

「てゆーか担任ヤマ先生だよー!」


クラス替え発表後の、2-D。
私、雨野 咲穂の周りでは他のクラスメイトが騒いでいる。
そして、その中心に居るのは……

「航平クン! 彼女は居るの!?」
「ねぇねぇ、前の学校どんな感じだった?」

……渡辺 航平。

今日、新年度の始まりと同時に此処、北高に編入してきたヤツ。
顔もまぁそれなりに整ってて、性格も明るいから編入早々人気者って感じ。
髪は短めの茶髪をワックスか何かで遊ばせているけど、校則の緩い此処では問題視すらされない。
てゆーかあれって地毛かな?

でも正直言って私にとっては邪魔なだけ。
コイツがいるせいでクラスも五月蠅くなるし、何より――


「咲穂チャン、何で怒ってんのー?」


この馴れ馴れしさが、私を苛立たせる。