「だからあたし、覚悟するね。今まで怖かったけど--、でも、覚悟、ちゃんとする。輝も、夢も、手放したくないから。だからあたし--、やれるだけやっていく。」

生徒会長としての自分も、矛盾も、全て背負って。
ひたすら駆け抜けよう。


夢を追いかけて。


「--さすが、俺が好きになった女だ。」


輝が、満足気に笑う。
そして、身体ごと引き寄せられた、と思うと、

「んっ・・・」

唇を奪われていた。


息も出来ない。
ただ求め合って。
キス、キス、キス。

温かくて、熱くて。
愛おしくて、苦しくて。
幸せで、涙が出て。


「・・あ、きら・・っ。・・・・もっ、と・・」


嗚咽混じりの声は、輝の胸の中に消えて。


「・・途中で、嫌って言うなよ。・・今まじで俺、お前を支配したい。」


そんな輝の返事に、もう言葉が出なかった。





満月の、夜だったと思う。
月が綺麗だったのを覚えてる。

心も身体も満たされて、露天風呂で、2人で語り合って・・。また来たい、って言ったんだ。


でも、輝。

それが、最初で最後だったね。


2人だけで、どこかの世界に浸れたのは。



それが、最後----。