こいつ、なにを言ってるんだ?

俺たちにそんな話して一体───。

『生徒会長に任命されるための条件は1つ。毎回テストで1位をとること。任命されたら、有名大学への推薦入学が決まる。代わりに、毎回テストでは1位をとり続け、学校のイベントや環境、予算編成などは全て生徒会に任される。
会長は、生徒の代表でなきゃならない。だから校則を守らなきゃならないし、テストで1位でないなんて言語道断なんです。』

鈴木の言葉に、徐々に角が立ち始める。

『生徒会長の成績や功績は、この学校に歴史として残ります。
その歴史の中で、同立1位、ましてや、隠れて校則を破ってる会長なんかいたことがない。
この進学校の代表として、同立1位なんて、前代未聞なんすよ。・・悪い意味でね。』

・・・なんだそりゃ。
異常じゃねえか?

『異常だって、思います?』

俺たち4人とも、同じような顔をしていたのか、そう言われた。

『俺もそう思います。でもそれが現実で、引き受けた以上、優美はそれをこなさなきゃなんないんです。』

チャラチャラしたヤツだと思ってたのに、話せば話すほど、こいつの周りにオーラが漂う。
副会長のこいつも、ただ者じゃねえってことか・・・。

『バイトなんてしなきゃ、優美はこんなヘマしなかった。』

『なんだそれ。ケンカ売ってんのか。』

思わず、声が出た。
隣に立っていた悠に睨まれる。

『違います。それを止めなかった俺にも責任はある。
ただ今回のことで、優美の今までの努力は全て水の泡になったと言ってもいい。・・あいつ、それぐらい頭いいんですよ。多分、今回のことで、受験組や後輩は黙ってない。あいつのプレッシャーは、今までの何倍にもなる。』

受験組・・?

『つまり、推薦が決まってるから手抜いたな、会長のくせに、って言われるんですよ、あいつは。』

『そんなこと・・。』

あるのか、と多分、悠は問い掛けた。でも目の前のこいつから、嘘は感じられない。