「あ、そういえばお前さっき、電話でプレゼントがどーのこーの言ってたけど、もしかして誕生日近いのか?」

優美からいったん身体を離して、俺はその顔を見た。

「え、聞いてた?そうなんだよね、あたし誕生日4月なの。」

優美は何故か気恥ずかしそうにそう答えた。俺は優美から離れて窓枠に腰掛ける。優美もそれにならった。

「いつ?」

「4月10日だよ。」

「そっか・・・、18、になんだよな?」

「うん。」

改めてそう考えると、自分より4つも下だってことに驚いた。それは優美が、どこか大人びた雰囲気を持ってるからかもしれない。

くるりと振り向いて夜景を見つめる優美の横顔を、俺は見つめた。その肌の白さと表情のあどけなさは、まだどことなく優美の若さを感じさせる。


俺の手で、こいつを育てたい。守りたい。


「優美。」

「ん?」

「一緒に祝おう。」

「え?」

キョトンとした優美の頭に、自分の手をポンとのせた。

「お前の今年の誕生日、俺も一緒にいたい。」

そういうと、優美の顔が赤くなったのがわかった。それが何だか嬉しい。こいつが俺を好きだってことが、わかるから。

「で、でも仕事・・。」

「なんとかする。てか優美、お前はそんなに気にかけなくていい。仕事の事は、俺が何とかする。お前のためなら、何だってやれる。」

「だけど・・・。」

「お前は俺と一緒にいたくねえのかよ?」

まだ渋る優美に、少しだけ意地悪な質問をした。

「そ、そんなことないっ。」

予想通りの答えだ。