真っ赤になりあわてふためいている優美の頭を、優しく撫でた。

なんなんだもう。
可愛くて仕方ねえよ。


「ま、今日は帰すけど、いつかは俺ん家に泊まりに来いよ?」

「え・・。」

「いつかっつっても遠くない日にな。俺、そんな待てないし。」

「え、え?」

優美は頭が混乱しているらしい。

「覚悟しろよ?」

そう言って、啄むようにキスをした。

「へ・・・。」

優美はもう、放心状態だ。

ったく、こんなんでこの先平気か?

少し、先行きが不安になる。


「ま、俺はいくらでも待つけどな。」 

お前のためなら。
いくらでも、待てる。

だけど誰にも渡さない。
お前はもう、俺のもんだ。


「優美、もっかいしていい?」

「へ?・・だ、だめ!」

俺の質問の意味を、一瞬間を空けて理解した優美は、顔を真っ赤にして否定しやがった。


・・んなの。

「許すわけねーだろーが。」

「あ、あき・・んんっ。」


優美の腰を思い切り引き寄せて、噛み付くようにキスする。

キスさえも我慢しろなんて、拷問かよ。


「んっ・・、はっ・・。」


優美がいい声を上げはじめたその時、内線が鳴った。


・・ちっ。なんで、このタイミングなんだよ。

名残惜しいけど、俺はゆっくりと優美の唇から自分のを離した。

「少し待ってろ。」

優美の頭を一撫でして、内線に出る。

内線の受話器を取ると、コンシェルジュの紳士的な声が聞こえた。

『車、今マンションの前から離れましたが。』

「裏にいる可能性は?」

『モニターに写ってませんので、ご心配はないかと。』

「そうか、悪かったな。」

『いえ、それでは。』