もう、離れられないように。

ちゃんと、聞きたいんだ。


沈黙が流れる。


や、やっぱり・・ダメ・・?

輝のキャラ的には、あんまりそういう言葉は言わなさそうだし・・。


だけど。


「優美、好きだ。」


ハッキリと、それはあたしの耳に届いた。


「誰にも渡したくねえ。他の男と話だってさせたくねえよ。」

幸せすぎる、輝の本音に、胸のドキドキが、涙が、止まらない。

「・・お前も、聞かせろよ。」

それに、あたしは迷うことなく答えた。

「・・大好き。」


また、抱きしめる力が強くなった。痛いくらいだ。

「・・つらい思いさせると思う。」

「・・うん。」

「覚悟も、必要だ。」

「・・うん。」

「デートはしてやれねえし。普通のことも・・、多分できねえ。」

「・・うん。」

「仕事では・・、お前につらく当たったりもするはずだ。」

「・・うん、わかってる。」

「それでも、誰よりもお前を大事にする。」

もう、声が出なくて、頷いた。
嗚咽が漏れないように、輝の肩に顔を押し付ける。

「誰よりもお前を、幸せにするから。・・だから優美、俺の女になってくれ。」

「・・・ん、うんっ・・。」

嗚咽でうまく言えなくて、あたしは二回大きく頷いた。


好き。好き。好き。

一気に、輝への気持ちが溢れ出す。

知らないうちに、こんなに惹かれてた。

嘘じゃない、そう思える温もりが幸せで、あたしは初めて、生まれてきてよかったと思った。


「・・本当に、好きだ。お前のことが。」


夢のような言葉と共に、あたしは魔法をかけられた。

輝しか、見えなくなる魔法を。

そしてあたしはこの日、初めて恋を知ったんだ。