しばらくして 車は止まった。 周りは真っ暗で 何も見えない。 ドアを開けると 波の音と 微かな潮の香りが 鼻先をくすぐる。 冬の夜 季節外れの海は 寂しそうに揺れていた。 ここ数日 暖かい日が続いたからか 雪は溶けていた。 その代わり 地面の土は水分を含んで 泥と化していた。 ぐちゃぐちゃな土の上を 手を繋いで歩いた。 すこしだけ 泥道に感謝。