枕元に置いた携帯が 振動と共に メロディーを奏でる。 仰向けだった体を うつぶせにして 手を伸ばした。 見ると 母親からの着信。 「もしもし。」 すこし間を置き ドスのきいた女の低い声。 母親は怒っている。 「何時だと思ってんの。 あんた明日も学校でしょ。 最近休みが多いし 行っても遅刻ばっかで 単位やばいって 担任の先生から電話来たよ。 明日はちゃんと行くんでしょうね? 早く帰りなさい。」 低音の早口。 母親が本当に怒っているときの癖。