食卓から一人離れ 部屋に駆け込んだ。 「もしもし? これから暇?」 通話ボタンを押して 聞こえてくる優香の声。 挨拶の一つもなしに いきなり用件かよ… と思いつつも返答する。 「暇だけど。 なしたの?」 「飲み会あるんだけどさ 女一人足りないんだよね。」 すがるような優香の声が 無機質な現代文明の結晶を通して 私の鼓膜を振動させる。