二階の奥から二番目の個室。

優香がちょこんと座った横に
私はどんと腰を下ろした。

「じゃあとりあえず
 飲みますか。」

という運転席の男の言葉を合図に
私と優香は買ってきた焼酎を
紙コップに注いだ。

お茶やジュースなどで割って
自分の目の前のコップには
薄めの緑茶割りを作った。

それを見破ったかのように
運転席の男が私の目の前のコップに
焼酎を足し入れた。
おかげて今にも溢れそうだ。

「自分のだけ薄いのにしたらだめだよ。
 えーと…
 何ちゃんだっけ?
 あ、俺はタクミね。」

相変わらずヘラヘラと笑う運転席の男。
その半開きの口をどうにかしろ
と思いながら軽く睨み付ける。

「紅…」