「ちょっす。」 運転席の男が 私に振り返って ヘラヘラと笑った。 襟足が長め ツンツンの茶髪。 顔はそこそこ… ゆるんだ口元を引き締めれば まあかっこいい。 「ども。」 と軽く頭を下げると 「テンション低~」 という優香の突っ込みが聞こえた。 うるさい、と頭をポンッと叩くと 中身の詰まってなさそうな 音が聞こえた気がした。